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2011年10月

錫杖岳クライミング


【日程】2011年10月8日(土)~10月10日(月)
【場所】錫杖岳前衛壁・3ルンゼ、1ルンゼ等
【メンバー】川浦、伊藤、大竹

9月の三連休は各自の都合や天気で計画はお流れ。10月の三連休は移動高で安定した天気が望めそう。インドヒマラヤ遠征帰りでうずうずしている川浦さんより錫杖岳に行こうと声がかかる。会友の斉藤俊二さんも2日目に合流するとのこと。
金曜の夜7時半に大和駅で川浦車にピックアップしてもらい出発。途中高速出口の時間調整をしながら走り、午前2時頃中尾高原口バス停に到着。しかしバス停横の無料駐車場は既に満車、仕方なく向かい側の奥飛騨さぼう塾資料館の駐車場に入れて仮眠。結果的には3日間ここに駐車しっぱなしにしたがクレームはなかった。(あったけど我々が知らないだけ?)

10月8日:5時半ごろ起きると、さぼう塾の駐車場にも多数の車が。路肩に駐車している車もあり、他に駐車場所がないのでそのまま出発する。錫杖沢にテントを張る場所がない最悪のケースが頭をよぎる。
部分的に急登な登山道を1時間強で錫杖沢出合へ。やはりすでに7、8張りのテントが張られており、整地された場所は残っていない。どうにかクリヤ谷へ少し入った右岸に平らな所を見つけ石を取り除き整地して拡げ、ぎりぎりスタードームのテントを張った。

錫杖岳前衛壁 錫杖岳本峰
錫杖岳前衛壁             中央稜から本峰

すでに9時半を回っており、今日は短い3ルンゼを登ることにし準備をして出発。踏み跡を辿って左方カンテの取付まで登り、壁に沿って1ルンゼの取付へと下る。何パーティか取りついているので暫く観察。更に踏み跡を辿って回り込むと3ルンゼの取付へ着く。上部に3ルンゼ終了点先の顕著なP3とP4とのコルが見える。前のパーティのラストが1p目をルンゼの左壁から登り始めたところだ。
すぐに準備して登攀開始。今日は大竹がオールリードする。1p目の狭い滝を抜けた後は、ルンゼ左壁側を3p登りルンゼ内に下りる。どのピッチも30m程度で短い。記録によると4p目は、チョックストーンの裏のトンネルを抜けるとあるが、チョックストーンが落ちたのか埋まったのかトンネルはなかった。
先ほどヘリコプタが岩壁近くまで来てホバリングしていたと思ったら、3ルンゼを3人パーティが下降してきた。オンになっているトランシーバーが、吊り上げて病院に搬送したと伝えている。同じ会の別パーティらしく、緊急なので先に下らせてほしいと言うことで3人が下降し終わるのを待つ。
次の5p目が核心部で、奥の右壁側に残置ピンがある。垂壁で濡れているのでアブミを使用。右の岩に移り落ち口の上をトラバースして抜ける。帰って記録を読むと、奥まで行かず手前の右壁を登りランペ状に上がれるようだ。6p目は左壁を登り落ち口上にトラバースして終了。なぜかここのビレーポイントは貧弱。下を見ると右壁側の抜け口上にラペル用のポイントがあるがビレーするには不便。

3ルンゼ取付 3ルンゼA1 3ルンゼ
3ルンゼ取付        5p目核心部をアブミで登る 3ルンゼ内からの眺め

ここでロープを外して上のコルまで登る。コルの向こう側には、槍ヶ岳・穂高連峰、登って来た側には焼岳が眺められる。コルの立木には裏側へ下降するスリングがセットしてある。コル出口の木にシングルロープをセットして登攀終了点までラペルで戻る。
終了点からルンゼの左壁を4回のラペルで取付に下る。荷物を整理し、踏み跡を左方カンテ取付まで登り返して下る。途中からヘッドランプを点けてテントに帰着。ここも調べると3ルンゼの押し出しをそのまま下るとクリヤ谷の登山道に達するらしい。

槍ヶ岳 焼岳
コルからの槍ヶ岳           登って来た側には焼岳

10月9日:川浦さん情報だと、斉藤さんは早朝に東京を出発し、今日錫杖岳を登る予定だとのこと。それなら錫杖岳の概念をつかむのにいい機会なので我々も一緒に登ることにする。ゆっくり朝食をし、昨日の登攀具の整理をしたりして待つが10時半を過ぎても斉藤さんは現れず。とりあえずメモをテントに貼り付けて行けるところまで行くことにする。

JCCベース
JCCベース@錫杖沢出合

昨日と同じ踏み跡を辿るが、なぜか錫杖の岩舎へ下りる入口を見ぬまま、なんと1ルンゼの取付に出てしまった。何だか昨日よりも歩きやすい感じはしたんだけど、なんで?? 仕方なく左方カンテの取付まで踏み跡を登り、岩舎への入口まで下り、錫杖沢に下りる。錫杖沢を登って行くと北沢フェース、前衛フェースが良く見える。注文の多い料理店に1パーティ、左方カンテには数パーティが取りついている。高度計で1650m辺りまで登り、藪を漕いで北沢に出ようと思ったが大変そうなので、そのまま引き返して錫杖沢を戻る。記録によると、錫杖岳本峰へは錫杖沢をさらに100m程登った二俣で左俣に入る。左俣の小滝を登り、笹藪の中の踏み跡を辿ると南尾根の鞍部に出る。後は尾根をたどり、途中の岩峰は左の笠谷側の巻き道を行くと頂上へ出るとのこと。
岩舎で林の中の踏み跡に戻り下る。下の方、林が少し開けた水が流れる露岩の所に踏み跡の分かれ道があった。(下からくると錫杖沢からブッシュの踏み跡に入り、一度沢に出て、再びブッシュに入ってすぐ。)下から見て左の赤布が左方カンテ取付へ、真ん中に黄色のテープの細い流水溝、右の白テープの少し広い流水溝が1ルンゼ取付へと続いている。岩壁基部へは1ルンゼ押し出しを詰める方が歩きやすい。
2時半ごろテントへ戻ったが、斉藤さんが来た形跡はなかった。予定が変更になったのか、携帯は圏外で連絡取れず。夕方までに多くのパーティが下山し、テントは我々のを含めて3張り程と静かになった。天気は安定しており、昨日の体の疲労も抜けたので、明日は1ルンゼ登攀を予定する。

左方カンテ_注文 注文_クライマー      西穂方面
北沢フェースと前衛フェース     注文と左方カンテのパーティ  ジャンダルムと西穂ロープウェイ駅

10月10日:昨日確認した1ルンゼ押し出しを詰める踏み跡を辿ると、30分程で取付に着いた。今朝駐車場から登って来たと言う男女2名パーティのトップが登り始めていた。トポによると全8pなので2、3pずつリードを交代して登ることにする。最初は伊藤さん。
1p目、凹角左のフェースから登り始めるが、先行パーティがいるので短く20m程で切る。2p目、出だしの細かいフェースを越えて、左側北沢フェース下の広場から登って来れるテラスまで。3p目、傾斜が落ちた階段状を登り、ルンゼから左のカンテへ上がる。ここで川浦さんにリードを交代し、4p目はカンテラインを30m伸ばす。5p目、カンテからバンドを辿りルンゼの左側のテラスに下りる。先行パーティのトップは核心部のハングを抜けており、しばらくしてセカンドがフォロー。ハング下までが結構細かそう。川浦さんは、セカンドのムーブを見ながら考え込む。で、結局エースの伊藤さんの再登場。核心部の下のテラスで短く切り、7p目左上してジェードル状に入る。5m程登り、先行パーティが越えたところより下で左のフェースに移り、左側に回り込んで上のテラスへ。ここで大竹にリードを交代。8p目、傾斜は落ちるが長いランナウトとならないよう注意してルートを選び最後のチムニー目指して40m程伸ばす。9p目、チムニーを抜けるといやらしい草付きとなり突き当りの灌木帯まで30m登り終了。先行パーティはここでラペルの準備をしており、ここからは歩いて東尾根に出れそうもなく、終了点が違うみたいだと話し合う。

1ルンゼ1p目 1ルンゼ上部を見上げる PA100045_20111011180408.jpg
1p目を登る伊藤さん    1ルンゼ上部を見上げる       ヘリコプターが飛んできた

伊藤さん、川浦さんが登ってから、2名は下降開始。下のテラスが空いてから我々もラペル開始。最終ピッチを下りながら確かめると、途中で右に横断バンドに移れるところがあった。正規の終了点はそちらに出るらしい。おおむねルンゼ左のカンテ状に沿ってラペル5回で取付に戻った。
すぐに登攀具を整理し、1ルンゼ押し出しを下り、20分程でテントに着く。テントを撤収して登山道を急いで下り、どうにかヘッドランプなしで駐車場に到着した。

ラペル待機    伊藤ラペル
先行パーティのラペル状況をチェック  ラペル中の伊藤さん

三連休の最終日なので道路の渋滞が予想される。安房トンネルを抜け上高地線に合流したが意外と下山の車は少ない。まずは竜島温泉で汗を流し、新村(松本インター手前3、4km)のレストランポムで夕食。ここはお奨め。この時間では高速の渋滞は解消しているようだが、急いでも電車がないので翌朝の電車に合わせ途中仮眠をとりながら帰った。

10月8日(晴) 駐車場(6:40)-錫杖沢出合(8:00)-[テント場整地・設営]-テント(9:50)-[左方カンテ取付~1ルンゼ取付]-3ルンゼ取付(11:10)-3ルンゼ登攀開始(11:40)-登攀終了(15:25)-[P3・P4のコル]-登攀終了点よりラペル開始(16:00)-[ラペル4回]-3ルンゼ取付(17:15~17:30)-テント(18:30)
10月9日(晴) テント(10:55)-[1ルンゼ押し出し~前衛壁基部~錫杖沢岩舎]-錫杖沢二俣下1650mより戻り(13:15)-テント(14:30)
10月10日(晴) テント(7:10)-1ルンゼ取付(7:45)-1ルンゼ登攀開始(8:30)-登攀終了(13:20)-登攀終了点よりラペル開始(13:50)-[ラペル5回]-1ルンゼ取付(15:35~16:00)-テント(16:20)-[テント撤収]-下山開始(16:55)-駐車場(17:50)

(感想等)
暑さが和らぎ紅葉が始まり快適な季節。思った通り錫杖沢出合には多数のテント、上の岩舎にも1張り。しかし2日目には多くのパーティが下山し静かになった。アプローチが短いからガツガツ登らず、再度訪れるのか。結果的に他のテントから少し離れたところに幕営し、のんびりとクライミングを楽しむことができた。

残置ピンがかなり抜かれたという情報があったが、3ルンゼ、1ルンゼともビレイポイントを含め十分なピンはあった。カムも用意したが特に必要は感じなかった。

(記:大竹)

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