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夏合宿:穂高岳涸沢をベースでの登攀


【日程】2011年8月12日(金)~8月15日(月)
【場所】穂高岳
【メンバー】伊藤、大竹、岩野、大西

若手は9月のヨセミテに向けての登り込みで不参加。合宿参加者は4名のみだが、涸沢にベースを張って、滝谷ドーム、屏風岩(ルンゼ状スラブ、東壁雲稜)の登攀を計画した。地震の影響で滝谷の多くのルートは崩壊が激しく、ドーム正面Bフェースのクラックも崩壊し登攀できないらしい。

8月11日、夜10時に大和駅に集合し、大西車で出発。お盆休暇で高速道路は車が多いが順調に走る。松本より158号線に入り、道の駅「風穴の里」で仮眠をとる。

8月12日、朝5時に起き、沢渡の駐車場へ移動、足湯のある第二駐車場は満車に近かった。ここでタクシーに乗り換えて上高地へ。上高地食堂で朝食、登山計画書を提出して出発する。明神、徳沢、横尾と登山者が多い。本谷橋からは各自マイペースで涸沢へ。
今回は、4~5人用のドーム型テントなので、涸沢ヒュッテには少し遠いが、広い敷地を確保。フライも張り、快適なベースを設営した。大西君の焼肉、岩野君の手作りゼリーなどで楽しい宴。天気が良く、気持ちの良い入山日だった。

涸沢BC 涸沢ヒュッテ
JCC涸沢ベース            涸沢ヒュッテのヘリコプターでの荷揚げ

8月13日、滝谷ドーム正面壁を登りたいがBフェースの状態はどうなっているのか?4:30にヘッドランプを点けて出発。混雑を避け、アプローチは東稜とする。岩稜通しにノーロープで北穂頂上へ。北穂小屋のテラスで、伊藤さんに小屋のコーヒーをごちそうになり優雅に一休み。
頂上の先でドーム中央稜を登っているパーティが見える。ガラガラのC沢左俣を慎重に下る。確かに正面壁Bフェースのクラック左側部分が崩壊しており、右側部分もまだ崩壊が進みそう。情報通り下部は左の北壁側を登ることとする。

槍ヶ岳 ドーム ドーム正面壁Bフェースの崩壊
北穂小屋よりの槍ヶ岳         滝谷ドーム          正面壁Bフェースクラックの崩壊

大竹・伊藤、大西・岩野のペアで組み、緩い草付き混じりを2pで北壁基部に着く。ここからラペルで正面壁Aフェース基部のバンドに出れるらしい。しかし崩壊してしまったクラック以外は正面壁へのこだわりがあるわけでもないので、大竹・伊藤はそのまま北壁右ルートを、大西・岩野はもっと左の凹角を登ることとする。

北壁1p目(大竹リード)は、狭いチムニーで意外と登りにくい。30m程で右側の外傾したテラスに出て、残置ピンとカムでビレイ。もっと左を登った大西・岩野ペアは1ピッチで踏み跡に出て終了したと声をかけてくる。2p目(伊藤リード)はチムニーから右のフェース状に出るとハーケンが連打されている。が、伊藤さん、アブミなしでどうやって登ったの。大竹はアブミの掛けかえでフォロー。う~ん、ちょっとかっこ悪い。3p目(大竹)、そのまま緩傾斜を30m程伸ばして終了点。北壁は岩がしっかりしていて快適であった。
登攀具を片付け、縦走路で待つ大西・岩野ペアに合流し、南稜を下った。涸沢小屋で、生ビールをごちそうになる。久しぶりのクライミングで体が痛い。伊藤さんは、早々に明日は休暇を宣言。もう1本登れるかな。屏風は...

涸沢小屋
北穂をバックに涸沢小屋

テントに帰るとパラパラと夕立がきたが本降りにはならずに止んだ。
明日は、ジャンダルム正面はどうと大西君より提案がある。新人の時に岡本さんに連れられて登ったルートだそうだ。でもアプローチは奥穂を越えてと長い。

8月14日、今日も午前3時に起床。体の痛み、疲れは残っているものの登れそう。休暇の伊藤さんを除いて3人でジャンダルム正面を登攀することとする。
ザイテングラートを登り白出のコルへ。穂高山荘前は、西穂へ向かう人、大切戸を越えて槍ヶ岳まで縦走する人などで溢れていた。奥穂を経由して西穂への縦走路に入り、馬の背とロバの耳のコルよりガラ場を下る。尾根状をトラバース気味に取付へ20分程下り、ハーネスを着けジャンダルムのピークより落ちるリッジ上の這松テラスより登攀を開始する。トップがダブルロープを引き各末端に1名が繋がる。

白出のコルをのぞむ 前穂北尾根 ジャンダルム
ザイテングラートを白出のコルへ   左に前穂北尾根           ジャンダルム

ルートは、写真でジャンダルムの肩の様に張ったT1の手前にピークより落ちるリッジを登る。1p目(大西リード)は傾斜の緩い草付き混じりを45m程。2p目(大竹)はフレーク状の岩がある凹角を快適に15m登り、抜けてから草付き混じりを40m伸ばし、ピナクルにスリング、カムとでビレイ。凹角には残置ハーケンがある。3p目(大西)、傾斜の緩い草付き混じりを30m程。最後の4p目(岩野)は少し傾斜の強い凹角を40mでジャンダルムのピークの右端に出て終了。このピッチも残置ハーケンあり。ジャンダルムは縦走路から外れているが、顕著なピークでもあり写真を撮りに多くの登山者が寄っていく。
奥穂のピークに寄り、白出のコルへもほとんど渋滞なく戻れ、ザイテングラートを涸沢へと下った。涸沢小屋で誘惑に負け2名が"遭難"したが、ほどなくテントへ帰還した。来年は是非残雪期の飛騨尾根を登ろう。
伊藤さんも奥穂まで様子を見に行き、穂高山荘で待ったが来ないので先に涸沢に戻ったとのこと。今日も夕方にパラパラ来たがすぐに止んだ。

8月15日、今日は下山。ゆっくり5時に起床して朝食、上高地へ下る。本谷橋を過ぎ、今回は登らなかった屏風岩右岩壁をじっくりと観察。屏風岩の登攀は横尾ベースの方が効率がいいかな。徳沢あたりからは観光客も多くなり、お昼には上高地に着いた。4日間とも天気に恵まれ楽しい穂高夏合宿であった。
竜島温泉に寄り汗を流し、高速の渋滞につかまりながら走り、海老名駅で夜8時半ごろ解散した。

屏風右岩壁ルンゼ状スラブ
屏風右岩壁ルンゼ状スラブ

8月12日(晴) 上高地(7:10)-明神(7:50)-徳沢(8:40)-横尾(9:40)-本谷橋(10:55)-涸沢(13:30)
8月13日(晴、夕方一時雨) 涸沢(4:30)-北穂南稜上の東稜への分岐点(5:30-6:00)-東稜のコル(6:25)-北穂(7:50-8:50)-[C沢左俣下降]-ドーム下部登攀開始(10:10)-北壁右ルート登攀終了(13:30-13:50)-縦走路へ合流(14:10)-[南稜下降]-涸沢小屋(15:50~16:35)-テント(16:40)
8月14日(晴、夕方一時雨) 涸沢(4:20)-[ザイテングラート]-穂高山荘(6:30)-奥穂経由(7:30)-馬の背とロバの耳のコルよりガラ場を下降開始(7:55)-ジャンダルム正面登攀開始(8:50)-登攀終了点(11:10-11:30)-奥穂(12:45)-穂高山荘(13:20)-[ザイテングラート下降]-涸沢小屋(14:50~15:05)-テント(15:10)
8月15日(晴後曇) 涸沢(7:05)-本谷橋(8:00)-横尾(9:05)-徳沢(10:10)-明神(11:00)-上高地(12:00)

(追記)
今は屏風を登攀後は終了点から下降するパーティがほとんどで、屏風の頭への踏み跡は消えかけているらしい。これでは涸沢をベースにすると屏風の登攀は効率が悪い。屏風は別途登攀計画を立てた方がよさそうだ。3mmスリング、リベットハンガー、ジャンピングセットまで用意したが、またの機会にしよう。
(追記2)
山下勝弘ガイドが8月末に雲稜ルートを登攀し屏風の頭に抜けた報告がありました。
(追記3)
山下勝弘ガイドが9月にジャンダルム北面フェースを登った報告です。最終ピッチは浮石はあったけど私はそれほどやばいとは感じなかった。山下ガイドが登った最終ピッチは、我々より左のジャンダルムピークに直接出る凹角か?
(記:大竹)

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